天武天皇系から天智天皇系へ

称徳天皇は皇太子を定めなかったため、称徳天皇が亡くなってから、だれを次の天皇にするかが問題になりました。

 

 

そこで候補にあがったのが、天智天皇の孫である白壁王でした。重臣たちは話し合いのすえ、このとき62歳だった白壁王を次の天皇にすることにし、770年10月白壁王は即位して光仁天皇になります。光仁天皇の即位は天皇家の系統に大きな変化をもたらしました。

 

 

 

天武天皇が即位して以降、奈良時代を通じて天皇は天武天皇の血をひく皇族から選ばれてきました。しかし称徳天皇の死によって、その伝統は崩れ、天智の血をひく白壁王が天皇になったのです。これ以降、天武天皇の血をひく皇族が天皇になることはありませんでした。

 

 

 

781年、光仁天皇は子の山部親王に天皇の位をゆずり、桓武天皇が即位します。桓武天皇は自分が天智の血をひく天皇であり、それまでの天武の血をひく天皇とは異なる系統であることを強く意識していたようです。それは平城京にかわる新しい都の建設でもわかります。

 

 

 

784年5月、桓武天皇は山城国長岡の地に新しい都をつくる計画をたて、11月には早くも長岡京に移り住みます。この間、新しい都は急速にできあがっていきました。

 

 

宮殿に使われた建築資材の多くが聖武天皇の時代に整備された難波宮の建物を解体して再利用したものであることが発掘調査などであきらかになってきています。それほど造営工事を急いでいたのです。

 

 

 

桓武天皇は、なぜ新しい都の建設を急いだのでしょうか?桓武天皇は、それまでの天武天皇の血筋ではなく天智天皇の血筋であることを意識し、新しい王朝の天皇であることを表明したかったのです。新しい王朝の天皇には、新しい政治の舞台が必要になります。平城京にかわる、新しい都が必要だと考えたのは、そのためだったのです。

 

 

また、平城京がおかれていた大和国の地域には古く続く豪族たちの本拠地が数多く残っていました。こうした豪族たちの古い意見にとらわれていては新しい政治を行うことができません。

 

 

さらに奈良時代の政治に大きく関わっていた仏教勢力の存在も新しい政治を行う障害でした。こうしたことから様々な勢力にしばられる平城京を離れ、新しい場所で政治を行う必要があったのです。

 

 

 

 

長岡京はまた、水上交通や陸上交通に便利な土地でした。立地条件が河川の流れに囲まれていることが影響したのです。全国から大量に送られてくる税を都にスムーズに運ぶためには交通路の発達がなにより重要になるのです。

 

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